今日のセッション「罪人」後編

 週末はアメリカとの間でRPGの国際オンラインセッションを遊んでおりました。

 では、昨日のセッションの続き「罪人」後編のあらすじをお届けします。

 水に浸かった登山道で水ゴブリンを撃退した一行は、さらに〈聖なる山〉の高みを目指します。山を登るにつれ、雨は雪に変わり、やがて一行は、山道が雪で滑りやすくなっている場所に出ました。

 色々と思案した結果、一行は荷物を置いて鎧を脱ぎ、身軽な盗賊詩人ゾノにロープを張ってもらってから、そのロープづたいに難所を越えることにしました。

 ところが、盗賊詩人ゾノと魔法怪盗亀少女ミレンリースが難所を越えたところで、空を見上げると、なんと4メートルはあろうかという巨大な鳥たちが今にも一行に襲いかかろうとしているではありませんか。

 鎧も荷物もほとんど下に降ろしてしまっていた一行は、チュニックと武器だけを手に巨大な鳥に戦いを挑みます。まだ難所を越えていなかった4人は、暗黒精霊戦士スカンジナビアの活躍のおかげで巨大な鳥を打ち倒しますが、その過程で闇エルフのアシュタルは瀕死の重傷を負ってしまいます。

 一方、盗賊詩人ゾノと魔法怪盗亀少女ミレンリースはひどい怪我こそ負わないものの、巨大な鳥に決定的な一打を浴びせることができずにいました。そんな二人を救おうと、医療戦士バルサンはロープの中ほどから難所の向こう、崖のふちまで決死のダイブを試み、なんと奇跡的にそれを成功させます。たどり着いたバルサンの重槌の一撃で巨大な鳥は崖の下へと落ちていき、巨大な鳥についばまれていたミレンリースは危地を脱することができたのでした。

 さて、吟遊司祭カルザの癒しの奇跡で傷を治した一行は、難所を越えた場所でキャンプを張ることにします。しんしんと降り続ける雪の中、たいまつを焚き火代わりに暖をとった一行でしたが、防寒具を買わなかったことが災いし、カルザとバルサンが風邪を引いてしまいました。

 さて、登山道を登った一行は、お椀状の盆地にたどり着きます。そこでは、闇エルフの女性とその部下たちが一行を待ち伏せていました。一行が護衛している元暗殺者「罪人」を引き渡せという闇エルフの女性、パラダイス・メッセンジャーの要求を拒否した一行は、彼女らと戦うことになりました。

 爆発する弾丸、暗殺毒が塗られた刃、そしてパラダイス・メッセンジャーの脱衣毒が塗られた刃の前に一行は苦戦します。暗黒精霊戦士スカンジナビアは脱衣の毒を浴びながら最後の魔法を使って気絶、そしてカルザの魔力も尽き、もはやこれまでかと一行は思いました。しかし、意外にも、暗殺者たちは停戦を申し出てきます。

 「あたしたちは目的を果たした! 停戦にしようじゃないか!」と言うパラダイス・メッセンジャーに一行は不審を抱きますが、もはや戦い続ける力は無いと判断し、医療戦士バルサンは停戦を受け入れました。パラダイス・メッセンジャーは「ふふ、悪役は再登場するものさ。その方がドラマチックだろう?」「なにしろ、ドラマの山場はこれからだからねぇ」と言い残し、一行の前から姿を消します。

 彼女の言葉に不安を覚えつつ、最後の1合を登る一行に異変が起きたのは、その1時間後でした。なんと、暗殺者に刺された傷口が真っ黒に変色していたのです! そう、パラダイス・メッセンジャーの言うドラマの山場とはこのこと、暗殺者の暗殺毒が効いてくるということだったのです。毒を浴びていた盗賊詩人ゾノと医療戦士バルサンは、毒の痛みに苦しみながらも登山を続け、命からがら山頂の神殿にたどり着きました。

 山頂の神殿で一行は大量の喜捨を行って神殿の司祭の歓心を買い、魔力を分け与えてくれる見習い神官たちを借りることに成功します。見習い神官たちから魔力を借りた吟遊司祭カルザのおかげで、盗賊詩人ゾノと医療戦士バルサンは毒から解放されることができたのでした。

 さて、ついにこの旅の目的、「罪人(つみびと)」の贖罪を全うする瞬間がやってきました。裁きを待つ「罪人」に、神殿の司祭は一対の剣を差し出します。片方は柄が白で刀身が黒。もう片方は柄が黒で刀身が白。「これらは罪人を裁くための剣です。自分が、結果を問われるべきか? 心を問われるべきか? それを考えて1本を選びなさい」という司祭の言葉に、「罪人」は「罪が償われるのであれば、私はどちらでも構いません。私は、ここまで私を連れてきてくれたあなたたちに選んでもらいたいと思います」と判断を一行に委ねます。

 一行は悩み、考えました。吟遊司祭カルザはこの「裁き」そのものに怒り、医療戦士バルサンはなんとか「罪人」を助けられないものかとその方法を思案し、他の4人も司祭の言葉の意味を必死に考えます。

 悩んだ末、医療戦士バルサンは一方の剣を手に取り、自分の腹に突き立てました。正しい剣ならば、自分を傷つけないだろうと考えたのです。しかし、司祭はバルサンに、裁く意志を持って、裁かれる意志があるものを切らねば、どちらもただの剣であり、そのような方法で正しい剣を見抜くことはできないと告げます。

 司祭の言葉にあきらめた医療戦士バルサンは剣を振り上げ、「罪人」の上に振り下ろしました。すると、不思議なことに刀身が彼をすり抜けていき、そして、罪人の表情が何か吹っ切れたような感じになります。バルサンは正しい剣を選んだのです!

 剣を振り下ろした医療戦士バルサンたちに司祭が説法を行います。ここでの出来事は口外しないようにとの言葉にうなづいた一行は、司祭の好意に甘え、一晩の宿を借りたのでした。

 翌朝、晴れ渡った空の下を一行は王都ファンドリアへと急ぎます。無事「裁き」が終わったことを王都の神殿の司祭に告げ、少女に病気払いの奇跡を行ってもらわなければならないのです!

 王都に戻った一行は、至高神の敬虔なる信徒、クォビタス司祭に迎えられます。クォビタス司祭は、「神は努力するものに対して等しく許しを与えなくては」と言う吟遊司祭カルザに、「行いは正しき心から出たものでなければならない。邪なる心から出た行いは、やはり、裁かれるべきなのだ」と説法します。

 5日後、司祭の病気払いの奇跡の儀式が終わり、少女は無事回復しました。一行は少女の回復を心から祝い、いつもの宿、〈羊歯椅子〉亭で今回の冒険のことを唄ったライブを行ったのでした。

 2日間、合計22時間のロング・セッションでしたが、無事、大団円に至ることができました。参加者の皆さん、お疲れさまでした!