内海の漁師

アーシュラ・K・ル=グィンの内海の漁師というSF短編集を読みました。

 アンシブルおよびチャーテン理論という超光速通信・移動について記した3つの短編は素晴らしかった! しかし、それ以上に素晴らしかったのは最初の短編の前に記されている「はじめに」の章です。少し引用しましょう

SFを読まないということについて

 SFを読まないひとたち、そしてSFを書くひとたちの一部も含めてだが、彼らは、SFに用いられるアイディアはすべて、宇宙の構造や量子論に精通することによって沸くものであると、そしてNASAの宇宙センターで働いている人間とか(中略)にしか理解できないものであると考えたがるし、またそんな顔をしてみせたがるものだ。こうした妄想は、SF作家たちに優越感をあたえる一方、SFを読まないひとたちに言い逃れを与えることになる。

 じつにすばらしい演説です。SFが好きな人もそうでない人も、残りの部分をぜひ読んでみて下さい。