アーシュラ・K・ル・グィン

アーシュラ・K・ル・グィンゲド戦記などに代表される有名なファンタジー作品を生み出しているファンタジー作家であるのみならず,SFにおいても傑出した作家であると聞き及んではいたのですが,残念ながら,これまで私は彼女のSF作品に触れる機会がありませんでした.

 幸い,今回ハヤカワ文庫から出ている3冊を読む機会があったので,まとめて読みました.読み終わった後の感想としては,もっと早くに読むべきだったという後悔半分,読む順序を間違ったと言う後悔半分と言った感じです.刊行順に読むと,闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)となるのですが,真ん中の風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)が短編集で,3冊目の所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)の結末に関わる短編がいくつか含まれているのです.生来の左巻きな性格に従って,闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)の順で読めばよかったと後悔しました.

 いずれの書もル・グィン自身が正しいと考えている思想が色濃く反映されているので,読む人によっては反発を覚えるかもしれません.それでも,そうした思想を理解するために,一読しておくことをお勧めします.

風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)

風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)