魔法の国ザンス

私が原書で読めるようになりたいファンタジー小説 ナンバー1のシリーズです.面白さのメインが英語の駄洒落にあるので*1,訳者の山田順子さんはさぞかし苦労していることでしょう.

カメレオンの呪文―魔法の国ザンス1 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)

カメレオンの呪文―魔法の国ザンス1 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)

まずはここから.王道ファンタジーの構成ですが,この作品の独特な部分は駄洒落の方です.この1作目の駄洒落が楽しめるようなら,この後の作品も楽しめます.

魔王の聖域―魔法の国ザンス2 (ハヤカワ文庫 FT 44 魔法の国ザンス 2)

魔王の聖域―魔法の国ザンス2 (ハヤカワ文庫 FT 44 魔法の国ザンス 2)

初期3部作の2作目.主人公ビンクと魔法X(A/N)thの対決は見ものです.壮大なストーリーのはずなのに,それを感じさせないのはさすが(w

ルーグナ城の秘密―魔法の国ザンス3 (ハヤカワ文庫 FT 59)

ルーグナ城の秘密―魔法の国ザンス3 (ハヤカワ文庫 FT 59)

第2世代,ビンクの息子ドオア王子の話です.作者アンソニィは当初このシリーズを3部作にする予定だったとか.そのためか,主人公の描写に力が入っており,ドオアの成長過程に思わず感情移入させられます.若干手に入りにくいかもしれませんが,ここまでの3作を読んで損は無いでしょう.


魔法の通廊―魔法の国ザンス〈4〉 (ハヤカワ文庫 FT (78))

魔法の通廊―魔法の国ザンス〈4〉 (ハヤカワ文庫 FT (78))

ここまでの3作とはちょっと毛色が違う作品.マンダニア(私たちの現実世界)をザンス(魔法世界)の住人の目から見た時の面白おかしさが強調された作品です.

人喰い鬼の探索―魔法の国ザンス〈5〉 (ハヤカワ文庫FT)

人喰い鬼の探索―魔法の国ザンス〈5〉 (ハヤカワ文庫FT)

原題の「Ogre, Ogre」で一通り笑ってしまい,肝心の内容を失念してしまいました.ただ,愚鈍だが誠実でひたむきな主人公の人食い鬼メリメリがとても魅力的な作品だったことだけは覚えています.

夢馬の使命 魔法の国ザンス 6 (ハヤカワ文庫FT)

夢馬の使命 魔法の国ザンス 6 (ハヤカワ文庫FT)

ザンス(魔法世界),マンダニア(私たちの現実世界)に加えて,この後のシリーズで何度も登場する「夢の世界」が舞台となる一作.この辺りから主人公が人間でないシリーズが増えてきて,いよいよファンタジーらしくなってきます.私がもう一度読もうと思っている作品の一つです.

王女とドラゴン―魔法の国ザンス〈7〉 (ハヤカワ文庫FT)

王女とドラゴン―魔法の国ザンス〈7〉 (ハヤカワ文庫FT)

最初の主人公ビンク以来の超弩級ズル魔法能力の持ち主アイビィ登場の巻.子供たちが主人公ということで,殺伐とした前の巻とうって変わって児童文学のようなほのぼの感のあるほっとする巻です.

幽霊の勇士―魔法の国ザンス〈8〉 (ハヤカワ文庫FT)

幽霊の勇士―魔法の国ザンス〈8〉 (ハヤカワ文庫FT)

ヒロイン レーナの愛が本当に切ない,ラブ・ストーリーです.ある意味,ザンスシリーズの中でもっとも正統的なファンタジー作品に仕上がっている巻かもしれません.普段のザンスを想定してかかると,かなり驚かされることになると思います.

ゴーレムの挑戦―摩法の国ザンス〈9〉 (ハヤカワ文庫FT)

ゴーレムの挑戦―摩法の国ザンス〈9〉 (ハヤカワ文庫FT)

ちびゴーレムのグランディのコンプレックスと優しさ・勇気が光る一作.ラストはちょっとSF的でもあります.作者いわく,ここで第1部完結だそうです.もっとも,ザンスシリーズなので「完結」と言っているだけだとは思いますが(笑

*1:その駄洒落の人気たるや,作者の所にファンから駄洒落の投稿が山ほど来るほど だそうです